『闍拉耶 闍拉嚇 闍拉耶 闍拉嚇・・・・・・』
定子の口から紡ぎだされる、神龍召喚の呪文。
その時だった―――
|
|
ふ「ちょっと待つでしゅ!」
尊「! ふ、ふ〜たん!!」
|
|
ふ「オレさまも、こしろんに会いたいでしゅ!」
尊「・・・・い、いったい誰からそんな話を・・・」 |
|
ふ「オレさまはダメなの? ダメなの??オレ
さまはこしろんに会っちゃいけないの?」
尊「・・・ふ〜たん・・・。私には・・・」 |
|
定「・・・いいじゃないですか。ふ〜たん、こし
ろんに会ってきなさい。私が、ふ〜たんの
願いを叶えてあげるから」
ふ「ほんとに?ほんとに? ありがとうでしゅ」
定「では、二人はここで待っていてください。
すぐに戻りますから」 |
|
定「―――尊尊、これを」
尊「なんですかコレ?」
定「貴方専用お出掛けリュックです。あとで
中を見てください」 |
|
尊「・・・・・・・・・・・・?」 |
|
定「準備はいいですか?」
尊「はい。」
定「では、改めて・・・」 |
『闍拉耶 闍拉嚇 闍拉耶 闍拉嚇・・・・・・』×3
室内だというのに、どこからか雷鳴が・・・。
そして、彼らの前についに神龍が姿を現した。 |
|
定「これが、神龍・・・」
神「ネガイヲ3ツイエ―――」
定「偉そうですね。ちょっと、ムカツキますが・・・
神龍、1つも2つも一色単の願いだ。
『尊尊とふ〜たんを泣血とこしろんの元へ』
そして、最後の願いは、
『皆が、平和で幸せに暮らせるように』
以上!」
神「タヤスイコトダ」
尊「て、定子ちんぷい?!貴方と小經―――」
|
尊尊とふ〜たんは同時に光りに包まれていく。
定「いいんですよコレで・・・」
かき消される尊尊の声と消えていく二人の姿を見つめながら、
定子は自分に言い聞かせるように、何度もそう呟いた。 |